後立山北部周辺(長野) 稗田山(1443m)、赤倉山(1649m)、山ノ神(1990.2m) 2020年5月2日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 5:15 駐車箇所(標高1000m)−−5:20 渡渉−−5:48 林道終点(赤鉄骨堰堤=山ノ神コース登山道起点、標高1080m)−−6:34 1360m鞍部−−6:47 稗田山−−6:59 1360m鞍部−−7:04 1370m鞍部−−8:33 赤倉山 9:01−−10:01 1894m峰−−10:40 山ノ神 11:17−−12:16 1370m鞍部−−12:35 林道終点(標高1080m)−−12:42 駐車箇所(標高1000m)

場所長野県北安曇郡小谷村
年月日2020年5月2日 日帰り
天候快晴
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場林道脇に駐車余地あり
登山道の有無山ノ神:あり。ただし残雪で夏道不明  稗田山、赤倉山:無し
籔の有無稗田山:根曲がり竹+灌木 赤倉山、山ノ神:残雪で藪は皆無
危険個所の有無無し
山頂の展望稗田山:無し  赤倉山:南側が開ける  山ノ神:南側が開ける
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コメント真夏日の中をマイナーな山ノ神尾根コースを歩き、ついでに稗田山、赤倉山を往復。コース起点が地形図と異なっていたため無駄な藪漕ぎをしてしまった。起点は黒川沢右岸林道終点の赤い鉄骨の堰堤。橋は無く増水すると渡渉困難。帰りは飛び石で滑って水没してしまった。稗田山は西側鞍部から山頂まで雪が無く根曲がり竹と灌木藪を登る。稗田山西鞍部より先は残雪で藪を回避できたが、先週の新雪らしき緩んだ雪でツボ足で苦労しまくった。赤倉山はシラビソ倒木が目立ちそこそこ開けている。山ノ神は雪庇が山頂で背の低いシラビソのみで展望良好




標高1000m付近の謎の小屋 小屋入口に駐車
小屋の下の堰堤。地形図ではここから登山道ありなのだが・・・ 堰堤で対岸に渡ろうとしたがこの傾斜は無理
堰堤付近に橋無し。すぐ上流で渡ることに 倒木で対岸に渡った
対岸に登山道は無い 次の堰堤
蔓が絡んだ藪でやっかい 根曲がり木もやっかい
赤鉄骨の堰堤が登場 堰堤前まで林道が達していた。橋無し
林道終点から神ノ山尾根登山道が始まる 黒川沢左岸に登山道が延びる
標高1200m付近で残雪に達する。ただし雪は沢だけ 標高1230m付近
標高1270mの沢分岐。立木に山スキー用標識あり 標識は雪面から5mくらいの高さにあった
稗田山を目指すので沢分岐は右へ 1360m鞍部で尾根に出る
尾根に出ると雪は皆無 灌木と根曲がり竹の藪が山頂まで続く
稗田山山頂。人工物は皆無 稗田山から北西を見ている
稗田山から南東(スキー場方向)を見ている 途中で見かけた境界標識
1360m鞍部から西へ 1380m峰付近は南を巻いた。ここから残雪が登場
1370m鞍部からの登り。結構な傾斜
標高1450m付近から見た赤倉山方面。壮絶なガレた斜面が続く。1911年(明治44年)8月8日未明に大崩壊した現場
標高1450m付近から見た頚城山塊
1534m峰の東を巻く
標高1600m付近 標高1640m付近
標高1650m付近。赤倉山への尾根に乗った 赤倉山。尾根が谷に分断された不思議な地形
北側から斜面に取り付く 見えている最高所が赤倉山山頂
赤倉山山頂。シラビソ倒木が目立つ 赤倉山から見た稗田山。雪が無い
赤倉山から西を見ている 赤倉山北側の谷筋から西へと登り始める
標高1740m付近から見た赤倉山 標高1770m付近。いつの間にかシラビソ樹林に
カモシカの糞。足跡も多数あった 標高1850m付近。ツボ足では脛まで潜って時間と体力を消耗
標高1860m付近。シラビソが低くなる 1894m峰から南西を見ている
1894m峰付近から見た頚城山塊〜戸隠連峰
1894m峰付近から見た後立山北部。例年より白いような
標高1930m付近から見た山ノ神(奥のピーク) 標高1930m付近から見た山ノ神(なだらかなピーク)
山スキー用標識 最後の登り。脛まで潜り続けてもうヘロヘロ
山ノ神山頂
山ノ神から見た北東〜東〜南〜西の展望(クリックで拡大)
山ノ神から見た地蔵山、乙妻山、高妻山
山ノ神から見た後立山
山ノ神から見た焼山 山ノ神から見た火打山
山ノ神から見た妙高山 山ノ神から見た雨飾山
下山開始。相変わらず柔雪で下りでも苦労 下りでは山スキー用標識を頻繁に見かけた
標高1930m付近で尾根を離れて南東へ下る カモシカもラッセルに苦労しているようだ
標高1780m付近。顕著な尾根地形で現在地が判明 標高1700m付近。この尾根に乗る必要あり
トラバースで標高1700m付近で尾根に乗る 標高1680m付近
標高1680m付近で古いスキー跡に遭遇 標高1650m付近
標高1610m付近で往路の自分の足跡に遭遇 標高1550m付近。尖っているのは1534m峰
標高1540m付近から見た稗田山 1370m鞍部から谷を下る。夏道があるはずだが残雪で見えない
雪が薄くなって流れが出ている箇所も 標高1270mで往路に合流
ハイドレーションの落とし物。枝にかけておいた 標高1200m付近で夏道登場
夏道はしっかりしている 赤鉄骨堰堤には多数のシールが貼ってある
堰堤直下で渡渉したが石で滑って水没・・・・ 林道終点。ここまで車で入って渡渉が正解
林道は落石多数だが大きなものは無し 駐車箇所到着


・長野県内で姫川西岸の山は、残すところ栂池自然園周辺の山だけとなった。ここは標高が高く地域的に残雪が豊富で、地形的にも危険と思われる場所は無く、他の山でで雪が減った残雪期最終盤に楽しむのがベストと言えるだろう。何年も前から考えていた場所だがコロナ騒ぎで県を跨いだ移動の自粛ということもあり、今年は登ることにした。

・このエリアの未踏峰は稗田山、赤倉山、山ノ神、鵯峰、栂立の5山で、稗田山、赤倉山、山ノ神、鵯峰は地形図記載の山だが、栂立は日本山名事典記載の山である。エリア的にまとまっているので一回で片付けたいところだが、距離的/標高的に考えると日帰りは厳しそうで、2回に分けて日帰りでやることにした。

・まず最初に東側半分の稗田山、赤倉山、山ノ神。地形図を見ると白馬乗鞍温泉スキー場から山ノ神経由で天狗原に破線が描かれている。登山道があるかネットで軽く調べたら、あまり歩く人はいないようだが存在はしているとのこと(私が見た記録だと年に数人程度しか利用者がいないと書かれていた)。どのみち、今の季節なら大半の区間は残雪に覆われているので半分廃道状態でも大きな問題は無いだろう。

・栂池高原を通過してゲレンデ下部から林道へ入る。林道はスキー場のゲレンデをクネクネと上がっているのでゲレンデメンテナンス用と思われるが、車止めや一般車進入禁止の看板等は無かった。

・地形図によるとゲレンデが終わって最初のカーブ、標高1000mの堰堤の左岸から破線=登山道が始まっているのでそこを目指す。ダートだが普通車でも走行に問題が無いレベル。地形図には記載が無いが登山口があるはずの堰堤より奥に林道が延びていた。

・問題のカーブには登山口の案内標識等は皆無で、一面の藪が茂っている。もしかしたら堰堤の上が登山道かもしれないと考えて根曲り竹を分けて堰堤に上がったが、堰堤中央付近は急角度で2,3mの段差があり足場等も無いので、無理やり下ったとしても対岸を登るのはほぼ不可能。仕方がないので堰堤を逆戻りして上流側に下って渡渉可能な場所を探し、倒木で対岸に渡った。もっとよく場所を探せば飛び石で渡れそうな程度の水量であった。

・対岸に渡ったはいいが、地形図と異なって道の形跡は皆無。最初は樹林が開けた斜面で歩きやすかったが、そのうちに蔓が絡んだ低い藪が登場し前進困難になった。どうにか隙間から潜り込んだが、この状況は時間がやたらにかかるので、余分な高度を稼ぐ必要があるが上から迂回することに。こちらは根曲り木でやっかいだが蔓藪よりは格段にいい。

・やがて沢沿いの方が藪が薄くなったため高度を落として沢沿いを進んでいくが、地形図にあるような登山道の痕跡すらない。廃道化したというより最初から道が無いように思えた。

・コンクリート製の普通の堰堤をいくつか高巻して再び沢沿いに下ると、特徴的な赤い丸鉄骨が組まれた堰堤が登場。駐車箇所より奥に延びていた林道はここが終点で、堰堤の下流側直下の左岸から明らかな道が始まっていた。ただし、右岸の林道終点と左岸の道の間には橋が無く、渡渉するしかない。雪解けの今の時期は水量が多いと思うが、渡渉できるか微妙な水量だった。夏になって雪が消えれば水量が減って渡れるようになるのかもしれない。

・登山道は鉄骨の隙間から上流へ上がると、鉄骨の地上2〜5m程度の高さに各種シールがたくさん貼りつけられていた。この高さに貼れるということは、この高さまで雪がある季節限定なので山スキーの人達の仕業だろう。しかし、これを貼るためには当然ながら事前にシールを準備することが必要で、その筋の人達には有名な事柄なのだろうか。

・登山道のレベルは期待していなかったが、意外にもまともなレベルで体に触れる藪は無く、案内標識が無いだけで普通のアルプスレベルの登山道であった。定期的にメンテナンスしないとこの状態は維持できないはずで、おそらく毎年手入れしていると思う。

・登山道は左岸に付けられているが、標高1200m付近で残雪に埋もれるようになると沢に入って行くようだった。帰りに気付いたがここで右岸に道が移っていた。ただし、その後は沢は広範囲に残雪に覆われて登山道の様子は分らなかった。

・地形図によると登山道は標高1270mで分岐する右の沢を上がってすぐに左側の沢に移行するが、今回はまず稗田山に登る計画なので右の沢を進むことにする。この分岐の背の高い木には山スキー用の目印があるが、現在の雪面より5mも高い場所に付いていた。さすが豪雪地帯である。

・沢に残る雪渓は急で、ピッケル代わりの枯れ枝が役に立つ。この付近の雪質はキックステップが効く程度に適度に締まっていて、アイゼン無しでも問題なく上がれた。周囲の植生は背の高いブナ林に地面付近は立った根曲り竹。まだ密度はそれほどではないので、上部で雪が消えていても大きな問題は無さそうだ。

・1360m鞍部が近付くと徐々に雪が減ってきて、鞍部に出ると雪が消えてしまった。見上げる稗田山の稜線には雪は無く、灌木と根曲り竹の藪が広がっている。鞍部から山頂まで大した距離、標高差は無いので藪漕ぎで山頂を目指す。

・この尾根は北側はスパっと切れ落ちて崖になっているので、崖側に寄り過ぎないように注意。崖側の方が藪が薄くて歩きやすいのだが、安全には代えられないので藪の中を進んでいく。見た目よりは根曲り竹の密度は薄く、簡単に手で分けられるレベル。途中、苔むした境界西側はほぼ手つかずの自然のままだ。

・山頂が近付いて傾斜が緩むと灌木藪が増えて進むのが面倒になる。そんな場所は南側に迂回するが、藪を横に横断するのは灌木を抜けるのと同じくらい厄介だった。高度が上がると明らかに根曲り竹の密度が高くなった。

・傾斜が無くなれば稗田山山頂に到着。根曲り竹と灌木に覆われて展望は悪い。山頂標識、目印等の人工物は皆無。ゲレンデからそれほど遠くない場所なので積雪期はスキー場から訪問者があると思うが、無雪期は皆無に近いのだろう。ここからでは藪が深くてスキー場方面も視界が無い。この藪では無雪期はスキー場のトップから上がるのは無謀に近いだろう。

・往路を戻って1360m鞍部に到着。今度は尾根上を赤倉山へと上がっていく。最初だけ雪が無かったが藪は薄く、1380m峰に達すると南側に雪が現れたので巻き気味に進んで夏道が上がってくるはずの1370m鞍部に到着。残雪に覆われて夏道の存在を感じさせるものは皆無だった。この先はずっと残雪が続いて藪から解放された。

・1534m峰は北から巻いてしまい広い尾根を登って行く。もう5月なのでワカンは不要だろうと持ってこなかったが、高度が上がると徐々に沈み量が多くなってくる。先週降った雪だと思うが、春先にこれだけ降るのは勘弁してもらいたい。

・このまま尾根をまっすぐ登ると赤倉山を通過してしまうので、適当なところで東にずれる必要がある。高度計を見ながら上がっていき、標高1650m付近から右へトラバース開始。地形が緩やかで樹林があるので赤倉山がどこにあるのかまだ見えない。

・標高1670mで傾斜がややきつくなったところでやっと赤倉山に続く尾根が視界に入る。広い尾根で特に危険はないようだ。最後のトラバースを終えて尾根に乗るとほぼ平坦であるが、雪の沈みが足首程度となりさすがに足が重い。

・赤倉山手前に到着するとその地形は異様であった。通常のピークは独立峰以外は顕著な尾根で周囲と繋がっているのだが、ここは浅いながら谷で尾根が分断されていた。どのような理由でこのような地形になったのだろうか。

・赤倉山の右側(南側)斜面は傾斜がきついので左側(北側)から登ることにして浅い谷に下り、適当に斜面に取り付く。一部傾斜がきついがキックステップでクリアし、小尾根を越えて小鞍部に至り、その向こうがなだらかな赤倉山山頂であった。

・山頂付近は昨年の台風の影響か、シラビソ倒木が目立つ。おかでげ山頂は少し展望が開け、細い灌木が邪魔しているが南北方向に開けている。先ほど登った稗田山は全く雪が見えない。これから登る山ノ神方面は上部の傾斜が緩いので山頂付近は見えない。山頂付近に人工物は発見できなかった。

・今日は穏やかな天候で日差しがたっぷりであり、日当たりのいい場所で休憩。眠くなりそうだった。

・次の目的地=最終目的地である山ノ神に向けて出発。この先は尾根がバラけて地形がはっきりしないため、適当に上部目指して登ることにする。最初は傾斜がきついシラビソ樹林の斜面で、天気が良すぎて暑いくらいのためシラビソの日陰を繋いで歩いた。高度を上げると柔らかな雪の層の厚さが増しツボ足ではラッセルがきつい。足首程度までならまだ良かったが、常時脛程度まで潜ると体力が搾り取られ速度がガタ落ちだ。ワカンを持ってこなかったことを後悔してももう遅い。でもここまで来たならこのまま山ノ神を目指すしかない。

・山ノ神から北東に延びる明瞭な尾根に出ると傾斜が一気に緩まると同時に雪庇が登場。しかし雪庇は新雪が深くラッセルがさらに厳しいので、尾根中心を外して雪庇の根元付近を進んでいく。ここは樹林が開けて日当たりがいいので雪が締まっているのを期待したが、残念ながら状況は変わらなかった。

・山ノ神までは大した標高差は無いが、雪の状態が悪くてツボ足では遅々として進まない。今の状況では標高差があっても距離が短い方がいいのだが、残念ながら山ノ神らしき緩やかな山頂はまだまだ遠い。

・尾根を歩いている途中で山スキー用の目印をいくつか見かけた。天狗原〜乗鞍スキー場と書かれているが、この付近にたくさんあるスキー場の中でどれが乗鞍スキー場なのか私には分らない。後で分ったが、私が登り始めたスキー場がそれだったようだ(正確には白馬乗鞍温泉スキー場)。ということは、おそらく基本的には夏道と同じであろう。

・最後は傾斜がほとんど無くなって水平移動になるが、雪質の悪さは相変わらずで膝近くまで潜り一歩一歩に体力を奪われる。山ノ神山頂に到着した時には疲れ果てていた。

・山ノ神山頂はなだらかな山頂で明瞭なピークではなく、地形図を見ながら歩いていないと途中の偽ピークと変わらないと感じて通過してしまうであろう。今は一面残雪に覆われて標識類は皆無。地形図によると夏道は三角点のある山頂北側を巻いてしまうので、本当にこの通りだったら山頂に標識は無いのかもしれない。やや背の低いシラビソが生えているので雪庇が発達した南側半分以外は展望は良くない。その開けた方角も今日は空気の透明度が悪く、遠望が利かないのが残念だ。

・日向は暑すぎるのでシラビソの木陰で休憩。持ってきた銀マットとザックを敷物にして足を延ばして寝転がるのは心地いいし、体力回復に効果的だ。

・大型連休で本来ならばこの界隈は山スキーヤーで賑わうのだろうが、今年は新型コロナウィルス感染症の拡大でゴンドラ、ロープウェイとも営業休止中で、しかも県外からの流入自粛と登山自体の自粛もあり、往復で出会った人は皆無だった。雪の上には古いスキー跡は時々見たが、新しいものは無かった。私はスキーをやらないので詳しいことは分らないが、今回のような重い雪だとスキーでも苦労しそうな気配。

・長い休憩を終えて下山開始。本来なら下りは楽なのだが、この雪質でさらに日が高くなって緩んだ雪はツボ足では下りでも地獄である。特に横移動が続く箇所では往路の自分の足跡があっても踏み抜き連発である。

・往路では横移動が無駄に長かったので、標高1930m付近で尾根を外れて広い斜面を下ることに。ただし、この場合はのっぺりした地形の連続で読図が難しい。明瞭な地形は標高1770m付近から南東に張り出した尾根と、標高1700m付近で赤倉山へと繋がる尾根の2か所もに。最初の標高1770m尾根は見分けることができて正しい進路を取ることができたが、2つ目の標高1700m尾根はシラビソ樹林で先が見えないこともあり、見落としそうになって右手に明瞭な尾根が見えたところで気付き、トラバースして正しい尾根に乗った。

・上記のルートを下っている間に山スキー用目印がいくつか見えたが、もしかしたらその目印通りに下れば正しいルートを辿れたのかもしれない。ただし、山スキーのルートが一本とは限らない可能性があり、あちこちのスキー場に下れるように目印があった場合は痛い目を見るかもしれない。ネットで調べれば分ると思うが、私の場合、もう二度と行かないので調べなかった。

・標高1700mで尾根に乗ってからは比較的分かりやすい地形で、標高1600m付近からは往路の自分の足跡が現れたのでルートの心配は無くなった。ここまで標高を落とすと柔らかい雪の層の大半が溶けて消えており、潜る深さが足首から足の甲程度に減って格段に歩きやすくなった。これが最後まで続けばずっと楽に登れたのだが。

・帰りは夏道のあるはずの標高1370m鞍部から谷を下った。特に目印等は無くスキー跡も無いが、地形的に明瞭なので読図を間違えることは無い。こちらの谷も雪に埋もれて流れはほぼ見えていないが、所々で雪の下から大きな沢音が聞こえる場所があり、そんな場所は高巻きして踏み抜きを予防した。

・標高1270mで往路で登った谷と合流。ここまで高度を落とすと雪が良く締まって気温が上がってもほとんど沈まない。それはいいことだが心配事が。帰りは赤鉄骨の堰堤から林道終点に出て林道を下るつもりだが、午後になって気温が上がって雪解けで沢の水量が増えているのは確実で、対岸に渡れるかどうか。帰りだし登山靴ではなく長靴なので水没してもいいのだが、できれば冷たい雪解け水は避けたい。

・標高1200m付近で夏道に乗って周囲に雪が無くなると暑い! どんどん下って赤パイプの堰堤に到着して周辺で渡れそうな場所を確認。堰堤直下で大きな石を利用すれば何とか渡れそう。流れの手前側の石に足を置いて体重をかけたら滑って膝まで水没! 水没していた時間は1秒に満たず、ロングスパッツを装着していたこともあって長靴内に浸水はしなかったがズボンはびしょ濡れ。化繊だし、この気温と日差しならそのうち乾くだろう。電子機器類が水没しなくてよかった。

・林道は小さな落石が散乱していたが舗装の路面が続き、普通車での走行に問題は無さそうだった。赤鉄骨の堰堤付近には登山口を示す案内等は皆無だったが、ピンクリボンの目印があったので、やはり林道終点が登山口なのだろう。橋が無いけど・・・

・林道を下って駐車箇所に到着。今日は雪質が悪くてとにかく疲れた!

 

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